医局に所属している医師の皆さん。今の働き方に疑問を持つことはありませんか。
- 医局をやめてもやっていけるのだろうか。
- 医局を辞めたら後悔しそう。
- 実際に辞めたらどんなデメリットを感じるだろうか。
通常一度医局を辞めたら戻るという選択肢は取りづらいものです。つまり退局は一度限りの選択。ためらう気持ちは痛いほどわかります。
私も2022年4月に退局し、現在はクリニック勤務医として転職を果たしています。
転職については概ね満足していますが、一方で後悔やデメリットとして感じることが一つもないかというとウソになります。
今回は医局辞めてから半年経過した私が、実際に感じている不都合5選を紹介します。
医局人事での働き方がつらい・転職も考えているという方はぜひご覧ください。
やりがいが減った
やりがいのある仕事の定義は人それぞれです。私にとっては手術や手技、専門医として提供できる技術がやりがいの一つでした。
手術・手技が減っている
クリニックへの転勤のため、手技はほとんどなく週1回の小さな手術があるかないかといった程度。業務の9割は外来診療です。
外来診療だってもちろん医師にとって大事な業務の一つです。ただ医局に所属していた頃は外来はあまり好きではありませんでした。
外来診療への耐性がついた
もともと好きではなかった外来業務ですが、以前より少し時間に余裕がある分、丁寧な説明ができています。
総合病院時代はさばくのに必死で必要最低限の説明だけでしたが、今は日常会話も挟むことも。以外と向いているのではないかやりがいを感じ始めています。
最新の医療情報についていきにくい
医局に所属していた頃は嫌でも入ってきた最新治療の情報。今では自分から取得しにいかなとなりません。
MRとの面会時間が激減
MRとの面会が煩わしいと感じる方にとっては、メリットかもしれません。クリニックの院長の方針もあって、病院内でのMRとの面会が禁止されています。
直接面談がなくなったことで、MRから治療法の最新情報を聞く機会がなくなりました。
ハイリスクの症例は自分で診ない
クリニックですと手術等より高度な医療が必要な症例は、総合病院に紹介することになります。したがってより専門医の知識が活かされるようなケースは治療まで診ることはありません。
治療の最新情報についてもアップデートの必要性に迫られなくなっています。
学会・勉強会への参加率が低下
医局にいた頃、とくに大学病院時代はほとんどの勉強会に参加していました。決して主体的なものではなく、半ば強制的な参加でしたが。
現在の勉強会はほぼWeb講演会になっていて参加しやすいですが、自ら講演情報を手に入れる必要があります。
自分の科以外の知識も必要になった
クリニックに勤務することで、必要とされる医学知識も変わりました。
以前は自分の科の患者のみ見ればよかった
大学病院でも関連病院でも他科が充実している環境では、自分の専攻する科の知識があれば十分でした。
転職先は内科・外科も標榜。高血圧や糖尿病、脂質異常などの生活習慣病や、軽傷の外傷は対応できる力が求められます。
ケアネットTVを重宝するようになった
とくに内科の一般診療については体系的に学びたいと考えたとき、ケアネットTVが役立ちます。今までは主にポイ活だけのために活用していましたが、ケアネットTVも視て診療の幅を広げています。
ケアネットTVについては、100株買って株主優待で視聴しています。
医局員に合いにくくなった
それほどもめずに退局したものの、やはり古巣の先生とは話しにくいもの。
とくに上司にあたるような先生と顔を合わせると気まずいです。学会では出会う可能性が高いので、足が遠のきそうというのが目下の悩みです。
症例相談がハードルが上がった
普段の診療していると自分の専門であっても、相談したい症例が出てくるものです。
困った症例をすぐに相談できる環境がなくなった
治療法について気軽に話せる相手。医局員時代はそれがどんなに恵まれたことかを全く意識していませんでした。
今は上司として院長がいますが、なかなか気軽に話かけられる雰囲気ではありません。医師1人で勤務する日も多いです。
総合病院への紹介はストレス
手術が必要な症例は総合病院に紹介することになります。とくに緊急での処置が必要な症例の場合は、申し訳ないという気持ちになりながらも、医局の関連病院にお願いすることもしばしば。
相談できないため、どうしてもオーバートリアージ気味にならざるを得ません。
デメリットはあるも転職の結果に満足
転職して半年、考えうる医局を辞めたデメリットを挙げてみました。それでも私自身にとっては享受するメリットの方が大きく、転職で得られた結果に満足しています。
医局を辞めたメリットについては下記記事で紹介しています。
最近では医局を辞めて転職する医師が増えています。ただ退局は非常に悩みぬいたすでに結構すべきです。この記事が退局を検討している方の一助になれば幸いです。