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【現役医師が解説】医師の転職サイトはどれがおすすめ?厳選5サイトを徹底比較

医師転職サイトのおすすめ

医師の転職には転職サイトを利用した方がいいのだろうか?

今の勤務体系に満足できず、退局を考えている。そんな医師がまず直面する壁は、次の転職先です。むしろ転職先が決まれば、退局への道筋もスムーズになります。

ただ転職するといっても、どうすればいいのかさっぱりという方も多いと思います。私もそうでした。医局員時代のコネがあり、直接交渉ができるならそれにまさるものはありません。

ただ、そもそも医局との関係を持つ病院だと、退局を医局との不和と考え、採用に難色を示す施設もあります。それに一から関係を築くのは大変ですし、内情を知ることもできません。

げんまい
げんまい

とくに知人からのツテがなく、何もないところから転職を探そうという方には、やはり転職サイトへの登録がおすすめです。

また一つだけでなく、複数の会社に登録しておくと、コンサルタントが合わなかった。他社の求人の方が条件が良かったという事態にも対応ができます。

とはいえ転職サイトもたくさんあってどれを選べばいいかわからない、という方もいるでしょう。この記事では、転職サイトの中でもおすすめのサイトを、5つ厳選して紹介します。

医師転職エージェントを選ぶときのポイント

医師の転職サイトいわゆる転職エージェントは無数にあります。担当となるコンサルタントの質や求人数を考慮すると、大手の転職サイトが安心です。

転職サイトを選ぶ際に、確認すべき点は3点です。

  • 転職求人数
  • 拠点・対応エリア
  • コンサルタントの質

求人数が多ければ希望の転職先が見つかりやすい

転職求人数が多いからといって、必ずしも自分の希望する求人が入っているとは限りません。それでも、可能性は高くなります。転職求人数の総数が多い転職サイトは、独自案件や非公開求人も多く取り揃えているのです。

転職サイトによっては、特定の診療科や、QOLを重視した業務体系に強みを持ったサイトもあります。

地方での転職は拠点・対応エリアの確認を

地方で求人を探す場合、転職サイトがそのエリアに対応しているかどうか、確認が必要です。土地勘がなければ、同じ県内だからといって、全く通勤できない距離の勤務先を紹介されてしまうかもしれません。それに病院の内情まで知ることは難しいでしょう。

転職サイトによっては、コンサルタントが直接病院側と交渉する場面もあります。そんなときは、やはり住んでいるエリアに、支店を持つサイトが有利。より信頼感をもって交渉に臨めます。

一緒に転職を進めていくコンサルタントの質は大事

転職サイトの担当者=コンサルタントは、

  • 転職の話を進める中で、自分が本当に求める転職先を一緒に考える
  • 転職先に勤務体系の交渉をしてくれる
  • 円満な退局に向けてアドバイスしてくれる

といった、大事な役割を担っています。医療転職業界の知識、地域に属する病院の情報など様々な知識が求められます。

また知識だけでなく、人柄も大切な要素です。自分に合う合わないは個人差があるので、一概に「コンサルタントはこのサイトがおすすめ」ということはできませんが、客観的に判断する基準もあります。

  • 転職コンサルタントの人数
  • 医療経営士の資格の有無

抱えている転職コンサルタントが多ければ、それだけその質にも差がでます。最近では医療経営士という資格を取らせる転職サイトも増えてきました。

とはいえ、実際に登録してみて初めて分かることがあるのも事実。転職サイトを1本に絞らず2-3複数登録することで、合わない転職コンサルタントを引くリスクを軽減することができます。

5つの会社を横断比較

上記の観点でみても、業界最高水準にある転職サイトは、次の5つのサイトです。

  • エムスリーキャリアエージェント
  • 民間医局
  • マイナビDOCTOR
  • 医師転職ドットコム
  • Dr.転職なび

各項目について横断比較します。

転職サイト
エムスリーキャリアエージェント


民間医局


マイナビDOCTOR

医師転職ドットコム

Dr. 転職なび
運営会社エムスリーキャリア株式会社メディカル・プリンシプル社株式会社マイナビ株式会社メディウェル株式会社エムステージ
設立2009年12月1997年1月1973年8月1996年2月2003年5月
資本金1億円3億2900万円21億210万円2億850万円6,250万円
求人数(常勤)14,377件16,175件44,126件24,059件14,189件
(非常勤)6,618件7,775件47,628件16,386件7,071件
(当直なし)2,731件11,712件9,529件5,119件
(週4勤務)2,194件6,617件9,695件13,377件6,909件
拠点2ヶ所17ヶ所13ヶ所7ヶ所9ヶ所
コンサルタントの人数90人400人80人20人
医療経営士の資格保有全員保有保有を推奨全員保有
詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

転職サイトによって得手不得手があるので、自分の転職のコンセプトに見合うサイトを選びましょう。

エムスリーキャリアエージェントは医師の登録数No.1

メリット:豊富な求人数、コンサルタントの質が高い

デメリット:支社が少ない

株式会社エムスリーが運営するエムスリーキャリアエージェント。医療サイトm3.comでよく知っている先生も多いでしょう。

エムスリーキャリアの医師登録数はNo.1、20万人以上の医師が登録しており、驚きの数字です。医師数が全体で34万人ですので、20万人というと半数以上にもなります。

m3.comに登録していると、簡単に登録できるので、本気で転職を考えていない方も含まれている可能性はあるかもしれませんね。

常勤の求人数も業界最高水準。ただし、支社が東京と大阪の2拠点にしかない点はエムスリーの弱みともいえるでしょう。

複数登録する際の有力な候補となりますが、地方での転職を考えている方は、他にもう一つ、自分の住んでいる地域に拠点を持つ転職サイトも登録しておくと、選択肢の幅が増えます。

民間医局は全国17拠点で地方の転職に強み

メリット:スポットバイト、非常勤求人に強い、フリーランスにもおすすめ

デメリット:検索条件の絞り込みが緩い

民間医局はメディカル・プリンシプル社が運営する転職サイト。研修医の頃からお世話になっているレジナビも、同社が運営してます。

民間医局は、スポットバイトや非常勤求人が多いという特徴があります。今後退局してフリーランスで稼いでいこうと考えている先生には、とくにオススメです。

民間医局の強みは、全国に設置された17の拠点です。とくに住んでいる地域に民間医局の支社があるなら、強い味方となるでしょう。

デメリットは検索条件の絞り込みの項目が少なく、案件検索の際の使い勝手がやや悪いという点です。

マイナビドクターは医療職種全体の転職に明るく、求人数が業界最多

メリット:求人数業界No.1

デメリット:所属コンサルタント400名=コンサルタントの能力に差がある

マイナビが医師部門マイナビドクター。マイナビは一般転職も含めた転職業界の大手、転職に関するノウハウが蓄積されています。

医療職においても、医師だけでなく看護師、薬剤師など幅広い分野カバー。そのため求人数は医療転職業界No.1を誇っています。

デメリットは、転職コンサルタントの人数が多く、それだけコンサルタントの質にばらつきがあるという点です。ただ、転職コンサルタントとの相性が悪ければ、代わってもらえる可能性も高く、メリットとも考えられます。

医師転職ドットコムはQOLを意識した転職に強み

メリット:産業医老健案件が得意 

デメリット:突出した特徴に欠ける

医師転職ドットコムは株式会社メディウェルが運営しています。東証プライム上場企業アインホールディングスのグループ企業です。登録コンサルタントは80名、支社は7つと規模的にも他の転職サイトに劣りません。

医師転職ドットコムでは、医療機関の採用担当と蜜に連絡を取り合っており、非公開求人が多いという特徴があります。

そのため、産業医や老健をはじめとするQOLの高い求人が見つかりやすくなっています。実際に産業医の求人数と週4日勤務の求人数は、業界最高水準です。

医師転職ドットコムにデメリットと言える点は見つかりません。強いて言えば、その分突出したメリットに欠けるというてんでしょうか。

Dr.転職なびはコンサルタントの98.5%が医療経営士の資格取得済み

メリット:分業制コンサル

デメリット:サイトの規模はやや小さいコンサルタントが20人と少ない

Dr.転職なびは、エムステージグループが運営する転職サイトです。スポットバイトでは、Drアルなびという別サイトで斡旋しており、Drアルなびの方が認知度が高いかもしれません。

Dr.転職なびは、コンサルタントの数が20名ほどと規模は小さいサイトです。しかし、コンサルタントがほぼ全員「医療経営士」の資格を持っており、客観的にもコンサルタントの質が高く、少数精鋭のサイトとも言えます。

他の転職サイトにはない特徴として、分業制コンサルという仕組みを導入しています。医師担当とコンサル担当が別々に用意されるというものです。

担当者が二人になるものの、各々が業務に集中することで、より質の高い提案が期待できます。

転職サイトを使うメリットは?直接交渉の方がおすすめ?

転職をする場合に、転職サイト使うメリットは次の4点

  • 条件・待遇面の交渉
  • 非公開求人を含む選択肢の幅
  • 事前に内情を知り、よくない場合はコンサルタント経由で断れる
  • 退職支援(退局支援)

このあたりが、自分でもできそうという方にとってはあまり魅力はないかもしれません。厚生省の実施した医師転職の実態調査では、転職の際に医師転職サイトを利用した割合は55.8%でした。

実際には多くの医師が医師転職を利用している一方で、他の方法で転職を果たしている方もいることが分かります。2位は直接交渉の29.9%、3位はSNS・転職求人サイト掲載17.6%と続きます。

条件・待遇面の交渉

医師として採用担当者、個人病院では院長と金銭面や勤務時間の交渉をするのは、気が進まないという方も多いでしょう。また口約束だけであとから改悪されたという事例もあります。

転職サイトでは、この手の交渉を代わってくれるので、ストレスなく自分の希望に沿った条件での転職が可能となります。

非公開求人を含む選択肢の幅が広がる

転職サイトに登録すれば、非公開求人に巡り合える可能性があります。この求人を自分だけで探すのは困難です。

確かに1-2件であれば、知り合いのつてを通して求人を見つけられるでしょう。ただ世の中には、自分の希望を最大限に満たす求人があることも事実。複数の求人案件を比較検討することができる点も、転職サイトの強みです。

登録前にも一定の求人がみれますが、それは全求人のほんの一握り。非公開求人は、登録しなければ見ることもできません。さらに転職サイト側から求人を新たに作というケースもあります。

事前に内情を知り不適な場合は断れる

直接交渉に臨んだ際に問題になるのが、納得する条件にならなかったときに断りづらいという点です。とくに医局管轄内の病院だと、転職活動が医局にバレるという危険性もあります。

転職活動は退局前の段階で進めておくことが肝要です。ただ事前にそれがバレると、思わぬ妨害を受けるかもしれません。

転職サイトでは匿名性を重要視しています。自分が転職活動をしていることは、採用直前まで選定先の病院にバレることはありません

退職支援でスムーズに退局

いざ転職先が決まり、あとは退局を残すのみ。ただこの退局が結構なストレスです。とくに「それなりに説得力のある退局理由」を考える必要があります。

≫退局理由を考える

もちろん、はっきりとした理由があれば問題ありませんが、QOLを重視したいというような退局理由は教授や医局長に言いずらいものです。

そんな場合は転職サイトの支援を受けられます。コンサルタントも円満な退局についてのノウハウを熟知しており、困ったときには相談してみましょう。

転職サイトを使うとマージンを抜かれる?

転職サイトを使う際、我々登録する医師は無料でサービスを利用できます。では転職サイトはどこから得ていのかというと、求人を出している医療機関です。

実際に転職サイトに支払った手数料も、前述の厚生省の調査に掲載されています。189の事業所の平均値は、276.6万円という額でした。かなり大きな額ですね。

「手数料分だけ医師の給料が引かれているのでは」という疑問に対して、転職サイト側の言い分はこうです。

手数料は医療機関から支払われており、利用した医師の給与が下がることありません。むしろ給料交渉もコンサルタントが行うため、直接交渉より給与UPが期待できます。

手数料は医療機関から支払われており、利用した医師の給与が下がることありません。むしろ給料交渉もコンサルタントが行うため、直接交渉より給与UPが期待できます。

ただ、直接交渉であれば、医師確保にかかる経費の分、給料の交渉も上手くいくことも想像できます。自分にコネがあり、交渉にも自信があれば、やはり直接交渉の方が給与は高くなりそうです。

上記転職サイトを利用するメリットを受けるのに、200万くらいは経費だと考えられるなら、転職サイトの利用は考慮に値するでしょう。

総括

転職先を見つけるのに、医師転職サイトの利用は有効な方法です。ただし、転職サイトも複数あるため、おすすめの転職サイトを紹介しました。

厳選した5サイトは次の通りです。

  • エムスリーキャリアエージェント
  • 民間医局
  • マイナビDOCTOR
  • 医師転職ドットコム
  • Dr.転職なび

求人数の豊富さ、対応エリア、コンサルタントの質。これが転職サイトを決める上での判断基準です。ご自身の希望を深く考え、希望に合うサイトを選んでみてください。

転職サイトも一つだけにしぼる必要はありません。複数登録することで、提示された条件の良し悪しがさらに比較検討できます。

私自身は、民間医局とエムスリーキャリアに登録し、民間医局の案件で今の転職先を見つけました。

皆さんの転職活動が成功することを願っております。