医局を辞める

医局をやめて感じたこと

退局して感じたこと

このまま医局に属していていいのだろうか。現在医局員として働く方が一度は考えることかもしれません。

私もその疑問をもつ一人でしたが、2022年に退局し4月よりクリニックでの勤務医として充実した日々を送っています。

この記事では、9年間医局に所属しその後退局した医師のリアルを紹介。今の働き方に疑問を持つ方、クリニック勤務に興味のある方はぜひご覧ください。

医局をやめるに至った理由

簡単に私の境遇を紹介しておきます。

  • 30代、夫と二人の子どもとの4人暮らし
  • マイナー外科、専門医取得
  • 地方大学の医局に所属⇒退局しクリニック勤務

実家のある県の医学部に進学し、そのまま同大学の医局に入局。専門医を取得する方法は医局に入るほかにありませんでした。他科も含めてそれが一般的なキャリアでしたし、疑問を持つこともなかったのです。

そのまま医局人事に従って晴れて専門医も取得。専門医取得後は大学病院に戻って大学院に入ることが、決まっていました。

ただ大学での働き方は自分には合いませんでした。大学病院に戻ってきた医局員の立場は一番弱いものになります。当直はもちろん、院内で発生する案件に対するオンコールは同期で分担。当直明けにやっと思いで帰宅したら、主治医のコールで呼ばれるなんてこともざらでした。

子供をもちライフスタイルが激変した中で、このまま医局に所属していていいのだろうか。このような気持ちが徐々に自分の中で育ち始め、気づけば転職サイトを眺めるように。

2020年の9月に思い切って転職エージェントに連絡し、2022年からは現在のクリニック勤で勤務医として働いています。

医局をやめて感じるメリット~自分を見つめなおす機会~

今までクリニックでは働いたことがなかったので、様々な気づきがあります。転職活動を始めた際に、そもそも自分の理想の働き方は何か。この部分をとことん考えるようにしました。

日々の業務・子育てに追われていると、仕事をこなすことに精一杯になり、自分が本当にやりたかったことは今していることのなのだろうか?という疑問を挟む余地さえなくなります。

今回の転職活動を通して自分に向き合えたことが何よりもメリットです。

医局をやめて感じるメリットは次の3つです。

  • 圧倒的な時間的自由
  • 給与UP
  • オンコールからの解放

時間的自由

今回の転職で私が最優先で求めていたことはQOLの向上です。このことは転職エージェントにも伝え、希望に合致する職場案件を複数持ってきてくれました。

勤務体系は週4日、9:00~16:00。残業はほぼありません。

何よりも家族と過ごす時間が増えたことに満足しています。自分の自由にできる時間が増えたことで、後回しにしていた趣味も始めました。

このブログも兼ねてより興味をもっていたものです。

給料UP

普通の職種ではワークライフバランスは、給与と勤務時間のトレードオフの関係となりますが、医師はそうでもありません。むしろゆったり勤務の方が時給がよかったりします。

私のケースも例外ではなく、今までの年収1,000万から1,500万円にUPしています。ちなみに大学病院での勤務は、医局員に与えられるバイトを入れての額です。

給料にはそこまでこだわりはなかったのですが、結果的に上昇したことに満足しています。

オンコールからの解放

オンコールで病院に呼ばれるのが本当に嫌いでした。とくに呼ばれなくても電話の着信音にびくびくするし、遠出はできないし、それでいて給料は発生しません。

今はクリニック勤務で病院からの電話はありません。勤務時間外のQOLが格段に向上しました

医局をやめて感じるデメリット~QOLとやりがいのトレードオフ~

もちろん医局をやめた後に感じたのはメリットだけではありません。デメリットも挙げてみます。

仕事内容は以前の方が楽しかった

クリニックになったので、手術はありません。いざ無くなってみると寂しく感じます。

現在の業務内容はほとんどが外来業務です。クリニックになったことでより接遇が求められるとは感じています。(もちろん今まで全く気にしてなかった訳ではありませんが。)

やはり手を動かしたくて外科系に進んだということもあったので、外来だけというのは物足りません。このあたりは医師の仕事が給料とQOLのトレードオフではなく、給料+QOLとやりがいのトレードオフということになるのでしょう。

医局関係者と会いづらくなった

私のケースでは退局の作業は淡々と終わりました。もともと医局の性格として個々の医局員に対する興味が、それほどないということなのかもしれません。それはそれで悲しいですが。

とはいえ医局の上司と会うのはなんだか気後れするのも事実。今年は学会に参加してませんが、今後参加したとき、あまり親しくなかった医局員には話しかけづらいです。

相談できる相手が減った

今までは少なくとも二人以上の常勤がいる総合病院の勤務でした。臨床上困ったことはすぐに相談できます。当時はそれほど重要視していませんでしたが、いざ退局してみるとその環境がいかに恵まれていたかを実感します。

自分の行動への責任感が増した

個々の症例について自分一人の判断が求められることが多くなりました。またクリニックゆえに自分の診療科以外の知識も必要です。勉強は以前よりしているかもしれません。

失敗できないプレッシャーは、退局前より増しました。

退局後に視野が広がった

退局したことで今までの働き方以外にも医師のキャリアがあることを実感しました。医局に所属し、その派遣で総合病院で働くことだけが医師の働き方の全てではなかったのです。

産業医、訪問診療、療養型病院、異形技官。今回の転職活動を通して様々な働き口も紹介して頂きました。その中で私自身はクリニック勤務を選んだのですが、他の道にもまた魅力があります。

増えた時間でブログを始めました

自分自身の時間が増えたため、今回の転職活動を通して得られたことをブログに綴ろうと決意しました。実はブログについては退局前から興味があったのですが、如何せん医局員時代は時間がなく、実行に移せなかったのです。

あとこちらのブログを見て「医師のポイ活」も始めてみました。

≫医師のポイ活道

同様の境遇を持つ方の参考になれば幸いです。